10. メシアの証明~イエス・キリストの復活は事実か?|聖書の教え
※聖書の教えシリーズのNo.1~9 をまだお読みでない方は、
以下の記事を、先にお読みすることをお勧めいたします。
「史上最大の奇跡!イエス・キリストは本当に復活したのか?」
預言8)メシアは復活する
「彼が自分を、とがの供え物となすとき、その子孫を見ることができ、その命をながくすることができる。かつ主のみ旨が彼の手によって栄える」(イザヤ53:10)
イザヤ53章のメシア預言によれば、メシアは贖いとして命を捧げた後に、「その子孫を見る・・その命をながくする」となっている。この表現は、死んだ状態の人間に適用できる言葉ではない。「キリストは贖いの死の後、復活する」これが、この預言が成就するための大前提なのである。
イエスの肉体的な復活によって、この預言が確かに成就したのであれば、それによってイエスのメシア性が完全に証明されたことになる。そして、イエスの十字架が、人類の贖いとなったと確かに言える最終的な根拠も、イエスの復活にある。
キリストの「十字架」、「埋葬」、「復活」は、クリスチャンの信仰の根幹であると同時に、神による人類救済計画の要でもある。今回の記事で、イエスの復活を検証することによって、私たちを罪と死から解放する神の計画の確かさは、議論の余地無く証明されるのである。
キリスト復活の伝承・記録の信頼性
キリストの復活の史実性を検証する上で、考察すべき点が二つある。それは、「復活に関する伝承・記録の信頼性」「弟子たちの行動」である。
「キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、4 葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、5 ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。6 次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。7 次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、8 そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。」(第一コリント15:3-8)
引用した新約聖書の「第一コリント15:3-8」の記録は、使徒パウロによって書かれたものだが、キリストの復活を検証する上で、極めて重要な箇所である。なぜならこの内容は、原始キリスト教が共有していた最古の信条として、広く聖書学者たちの間で認められているからだ。
伝承が成立したのは、遅くてもキリストの死から20年以内であり、死後数年で成立した伝承と見る学者もいる。また、この信条が記録されている第一コリントの書簡自体も、キリストの死後30年以内に書かれたことが明らかとなっている。
これらの伝承・記録の成立年代は、復活の史実性を検証する上で、大きな意味を持っている。なぜなら、キリストの死後20~30年という期間であれば、イエスの死や復活を目撃した証人たち、また反対者たちが多く生存していた年代であり、嘘の伝承を流布させることは不可能だったはずだからである。
パウロは「五百人以上の兄弟たちに同時に現れた」と語っているが、この手紙を読んで、復活の事実を疑った人は、いくらでも証人たちを探し出し、証言の確認をすることが可能だった。パウロは、自らが記録した伝承の信憑性に、それだけの自信を持っていたのである。
さらに、この手紙の筆者のパウロ自身が、復活のイエスの目撃証人の一人であったことも、注目に値する。彼は元々、クリスチャンに対する迫害者のリーダーだったが、復活のイエスに出会って改心し、福音を伝える使徒となった。
迫害に燃えていたような人間が、迫害される側に転向するのは、並大抵のことではない。パウロの改心は、復活のイエスと彼との出会いが、極めて現実的であったことを示している。
多くの聖書学者たちは、これまでに挙げた観点から、引用したイエス復活に関する伝承の信頼性を高く評価しており、イエスの復活が事実であったことを認めている。
殉教をも恐れない弟子たちの勇気
イエスの弟子たちは、イエスの処刑後、自分たちが次に捕らえられることを恐れて、悲嘆して家に閉じこもっていた。ところが、復活のイエスに会った後からは、恐れから解放され、大胆にキリストの復活を証言するようになった。
当時のユダヤ社会では、イエスに対する信仰を告白することには、迫害や殉教のリスクが伴った。つまり、イエスの復活を証言することは、命がけだったのである。そのような状況にも関わらず、ユダを除く十二使徒たちは、その生涯を、イエスの復活を証言することに捧げていった。
伝承によれば、ヨハネを除く全ての使徒たちは、厳しい迫害に耐えつつ、殉教の死を遂げていった。
仮にイエスの復活が弟子たちの創作だったとすると、弟子たちは、本当はイエスが復活しなかったと考えていたことになる。しかし、このような仮定では、殉教すら恐れなかった弟子たちの勇気を、どう説明するのだろうか?
人は真実のためなら死ねるが、嘘のために死ぬことはできない。イエスの復活を確かに目撃したからこそ、弟子たちは復活を信じ、命がけで生涯をイエスに捧げることができたのではないだろうか?
最後に、イエスの復活に関する、興味深い話を紹介したい。
リチャード・ニクソン米大統領の側近であったチャック・コルソンは、ウォーターゲート事件への関与で有罪となりました。その後彼は、獄中で回心してクリスチャンとなりました。以下、彼の証言です。
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イエスの復活は事実かと質問されると、私は「弟子たちと500人の人たちは、自分たちが目撃した事実を書いているのだ」と答える。すると、「どうしてそれが事実だとわかるのか」との質問が返ってくる。そこで私は、ウォーターゲート事件を例に取って説明する。その事件は、大統領に忠誠を誓った側近たちが共謀して起こした事件である。しかし、側近のひとりジョン・ディーンは、当局の調査が始まってたった2週間で、自分の身を守るためにニクソンに不利な証言をした。たった2週間でこの事件の隠蔽工作は失敗に終わった。すると、だれも彼もが罪を軽くしてもらうために証言を始めたのだ。
大統領の側近たちが直面していたのは、死の危険性ではなく投獄の可能性である。しかし、イエスの弟子たちは死の可能性に直面していた。それにもかかわらず、あの無力な12人の男たちは、最後まで、イエスは肉体的に復活したという証言を曲げることはなかった。もしそれが陰謀だとするなら、殺される前にその中のひとりくらいは白状していたと思わないか。人は真実のためにはいのちを捨てても、嘘のためにいのちを捨てることはない。ウォーターゲート事件の隠蔽工作失敗は、人間の本性を明らかにしている。
イエスの弟子たちは、イエスの復活を否定することができなかった。復活のイエスを、顔と顔を合わせて見たからである。2000年たった今も、イエスが復活し、今も生きておられるという事実は変わらない。その事実が、世界中のクリスチャンを励ますのだ。たとえ刑務所の中にいても、また拷問や死の恐怖に直面していても、イエスは神であるという事実は変わらない。その事実の上に、私たちは自分の人生を築き上げるのである。
Charles Colson, BreakPoint Online Commentaries
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成就されたメシア預言:キリストの復活が意味すること
「私にとってこの証拠は決定的である。最高裁の裁判官として、これまで入念に証拠を調べ判決を下してきたが、これほどまでに圧倒的な証拠を今までに見たことが無い。弁護士としても、私は福音書の証拠を文句無しに受け入れることができる。証言者は信用できる人物であり、その人物像からも、証言内容の確かさが立証される」
上記は、英国最高裁の裁判官、エドワード・クラーク氏の証言である。彼は、裁判官の視点に立ち、キリストの復活に関する証拠を調査した上で、キリストの復活が確かであるとの結論に達した。
あなたはどうだろうか?これまでに取り上げた証拠を考えた上で、キリストの復活の事実について、どんな結論に導かれただろうか? 復活に関してより詳しく知りたい方は、本サイトの記事「イエス・キリストは本当に復活したのか?」、リー・ストロベル氏の著書「キリストの復活は事実か?」を読むことをお勧めする。
1. 復活は、イエスがメシア(救い主)であることを証明した
「イエスは言われた。「・・わたしについてモーセの律法と預言者と詩篇とに書いてあることは、必ず全部成就する・・」(ルカ24:44)
復活によって、イエスの十字架の死が、確かに人類の罪の贖いとなったことが証明された。加えて、その事実は、イエスが初臨に関するメシア預言を全て成就したことを意味した。イエスはその生涯を通して、自身が旧約聖書で預言されていたメシアであることを、文句なしに証明したのである。
2. 復活は、神の人類救済計画が確かであることを証明した。
神の人類救済プログラムの中心は、メシアである。したがって、メシア預言の成就は、人類に対する神の計画が確かで信頼できることを証明している。神は全能であり、偽ることが無い。メシアであるイエスによって、唯一の神を信じる全ての者は、イエスが復活したのと同じように、やがて復活の体を与えられ、永遠の命を受け継ぐようになるだろう。
「わたしの父の御心は、子(イエス)を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」(ヨハネ6:40)
初臨に関する全てのメシア預言が成就したのであれば、再臨に関する預言も、将来確かに成就すると信じることができる。キリストの再臨は、果たしてどのようなものになるのだろうか?またそれは、私たちの人生と世界の未来に、どう関係してくるのだろうか?続きは次回で取り上げる。
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