ノアの大洪水―人間の化石が恐竜と一緒に発見されないのはなぜか?

 

人間の足跡の化石--------------------
本記事は、書籍「創造の疑問に答える」(バイブル&クリエーション出版)からの転載となります。
なお、転載にあたっては、以下の版元の許可を得ています。
 ・Creation Ministries International  http://creation.com

 ・バイブル&クリエーション http://b-c.jp

書籍「創造の疑問に答える」については、以下のウェブページで紹介されています。
 ・国内 http://gophertree.jp/dvds.html
 ・海外 http://creation.com/japanese

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人間の化石はいったいどこに?―創造の疑問に答える 15章

  1. 人間の化石が三葉虫の化石と共に見つからないのはなぜか?
  2. もし人間が恐竜と共に生きていたなら
  3. それらの化石がいっしょに見つからないのはなぜか?
  4. どのようにして化石記録の順序が洪水でできたのか?

聖書は、人間は創造週の第6日目〔陸の動物(恐竜を含む)と同じ日、海の生き物と鳥の次の日〕から存在していると教えています。進化論者科学者らは、化石の記録の順序(たとえば、三葉虫が最下部で、人間は最上部に近いところ)は地球上の生物ができてきた順であり、何億年という年代がかかったと主張しています。

一方で、創造論科学者らは、化石のほとんどは創世記6~9章に記されている1年に及ぶ世界的洪水で形成されたと信じています(第10章参照)。このことから、創造論科学者らは、化石の記録の順序はノアの洪水の時に埋葬された順序であり、その上に局地的な災害によるものが続くと信じています。そこで、懐疑主義者らはこう質問します。たとえば、人間の化石が恐竜といっしょに発見されないのはなぜか?と。

地層は膨大な地質年代を示しているのか?

地層が膨大な年月を表していない証拠は山ほどあります。たとえば、グランドキャニオンにある巨大なココニノ砂岩層は、約100mの厚さで25万km2の範囲に広がっています。大規模に交差した地層は、深いところで速い水の流れによってわずかな日数ですべて堆積したことを示しています。グランドキャニオンの他の岩石層も急速に堆積し、堆積する層と層の間に時間差がなかったことは明らかです。1 実際、グランドキャニオンは地層全体がカイバブ褶曲のところで屈曲していますが、激しく曲がっているのにそこには亀裂がありません。進化論でその地層が堆積するのに3億年という年代が想定されているのですが、実際、それが曲げられたとき、そのすべてがまだ軟らかかった証拠です。1,2 このことは、創世記の洪水で急速に地層が堆積して曲げられたのならつじつまが合います。

膨大な地質年代が存在しないその他の証拠と急速な地層の堆積を示す証拠を以下に列記します。

  • 地層を貫く珪化木―― たとえば、何百万年と想定された地層を貫いて存在する木の幹の化石(石炭層に多い)は、急速かつ継続的に地層が堆積したことを示しています。そうでなければ、木の幹の上部は腐ってなくなっているはずです。岩石層の下にデリケートな特徴、たとえば、さざ波の形状や足跡などが保存されています。次の層が堆積されるまで長い時間かかったはずがありません。
    地層を貫く珪化木
  • 層と層の間に土壌の化石がありません。これは堆積に時間差がなかったことを示しています。
  • 岩石層や岩塊の間に浸食の痕が見られません(わずかな時間の間にも、水や風の作用でその時露出していた地表に溝ができるはずです)。
  • 不整合が限られています。不整合(はっきりした堆積層の破れ)自体は時間の隔たりを示すものですが、局地的であり、かつ周囲の同じ層の岩石には破れがありません。このことは、どこかの時点で起こった破れが局地的かつ短かったことを示しています。
  • 細屑状の溝と管 ―― 砂の混じった水が上層へ噴出した所です。下層の砂は上層より何百万年も古いとされています。しかし、下層が固くなかったことは明らかで、両層に時間差があったはずがありません。
  • その他多数2,3

中央オーストラリアのウルル(エアーズロック)も何億年かけてゆっくり形成されたとされていますが、その岩の構造は非常に急速に、かつ、最近形成されたことを示しています(199~200ページ参照)。4

多くの‘生きた化石’の存在も何億年という地球の年齢を反証します。たとえば、ヒトデ、クラゲ、ホウズキガイ、アサリ、カタツムリなどの化石は進化論科学者によって5億3千万年前のものとされていますが、現在生きているものと何も変わりません。ドイツ人科学者、ヨアヒム・スチーブン博士は、そのような‘生きた化石’を5百例以上集めた博物館を所有しています。さらに、これらの化石のいくつかは上部と下部の地層に存在し、介在する中間層で見つかりません。ゆえに、進化論で何億年とされた地層は、実はまったく時間差なく堆積したはずです。

恐竜と人間が共存していた証拠

人と恐竜の生きていた時代は6500万年の隔たりがあると進化論者らは信じていますが、いっしょに生きていた証拠は数多くあります。

  • 多くの歴史記録に‘竜’が登場することはご存知でしょう。それは、今で言う恐竜―― トリケラトプス、ステゴサウルス、ティラノサウルス、アンキロサウルスをよく表現しているようです。ビデオ‘The Great Dinosaur Mystery’は、このことについて紹介しています。5 ヨブ記40章にあるベヘモスは、一種の大きな恐竜、アパトサウルスかブラキオサウルスのようです。
  • 鉱物化(化石化)していない恐竜の骨が見つかっています。6 それらの中に赤血球が残っているものがあります。どのようにして6千5百万年以上前の赤血球が残りえたというのでしょうか? 長い時間を経たはずがありません。
  • 恐竜の化石を含む岩石に植物の痕跡がない場合が多くあります(たとえば北アメリカのモリソン地塁)。これは、地層は生物の生きていた時代を表しているものではないということです。もし、その地層が恐竜の時代を示しているのなら、恐竜は何を食べていたのでしょうか? 巨大なアパトサウルスは毎日3トンもの植物を食べていたでしょう。しかし、多くの恐竜が埋もれている地層に相応の植物の痕跡がないのです。言い換えれば、地層に埋もれた恐竜を見ているのであって、‘恐竜の時代’、その時代の環境を見ているのではありません。

順序どおり存在していない化石

多くの人工物の化石が場違いな(順序どおりでない)地層から発見されています。7 それは、人工物が、進化論科学者が言う古い時代(たとえば人間がまだいなかったか、人間がいてもそのようなものが作れなかった時代)の地層にあったということです。進化論科学者らが彼らの常識に合わないとして隠蔽する前に、信頼ある雑誌に掲載されてしまった例が非常に多くあります。そのような例は、進化論の雑誌に掲載されることはありません。進化論の世界観で説明がつかないからでしょう。ノーベル賞受賞者のフレッド・ホイル卿は、別の観点からこう述べました。

「科学は、今日、パラダイム(常識の土台にある考え)によって縛られている。すべての道は、間違った信念によって閉鎖されている。もし、あなたが雑誌に記事を出そうとして、そのパラダイムに反しようものなら、編集者はその原稿を没にするのだ。」8

クレモとトンプソンが著した「禁じられた考古学」は場違いな人工物を取り上げています。この本は、西欧化したヒンズーの観点で書かれており、その信仰の輪廻転生で時代がくり返すので、人は悠久の昔から存在したという内容です(実際のヒンズーは輪廻転生とは無関係で、現世は幻であるという概念)。aクレモとトンプソンは何百万年という年代ではなく、人がいたかどうかにこだわっていました。創造論者は何十億年という年代はないと考えています。しかし、ずっと人がいたという彼らの考えは、創造論者と同じです。クレモとトンプソンは調査を行い、914ページに及ぶ本を書きました。

人間の化石は何百体か見つかっていますが、ほとんどの創造論科学者らは洪水後のもの(洪水後の氷河時代に洞窟で埋もれた― 16章参照)と考えています。しかし、少なくとも一つは‘もっと古い’とされている地層から見つかっているのですが、b 残念ながら、その骨を取り出した時に詳細に記録されなかったため、埋葬されたのではないと言い切ることもできないのです。結局それが何であったのか、よく分かりません。

いっしょに発見された化石が、いっしょに生きて死んだかどうかを調べる場合、古生物学者らは、後に何か作用して破損した形跡を探します。そして、‘後に何らかの作用があった’とか‘地層配列上の異常(若い岩石が古い層で見つかる)’という説明を付けて、そのような化石は例外であるとしてしまうのです。

地層の順序は何を意味しているか?

地層は地球の歴史時代を表していません。しかし、一般には地層は歴史時代の順序を示すと広く信じられ、今でもその標準配列が基準となっています。

たとえば、海の底に棲む生物は下の地層で見つかり、もっと複雑な生物や移動性のある陸上の脊椎動物は最上位の地層で見つかります。ここで、次のことについて考えてみましょう。

脊椎動物の化石は無脊椎動物(背骨がない)のそれに比べて極端に少ないのです。化石の記録の大半は海の無脊椎動物と石炭、石油の形成材料である植物です。脊椎動物の化石は稀であり、人間の化石はもっと稀です。

洪水の時、1千万人いたとします。10 そのすべての死骸が保存され、7億立方キロメートルの化石堆積層に均一に分散したとすると、70立方キロメートルに1体の割合になります。すると、人間の化石は1体も見つからなくて当然ということになるのです。

巨大な大いなる水の源が張り裂けて始まったノアの洪水は、まず、大量の海底生物を埋め尽くします。大量の硬いもの(貝など)です。c そして、水が上昇して陸を覆ったので、陸上の動物は最後に埋められたでしょう。d 水中の植物は湿地の植物より先に、湿地の植物は陸上の植物より先に埋められることになります。

一方、陸地の動物は、哺乳類や鳥類は移動できる(特に鳥類)ので、最期まで高いところへ逃れたはずです。人間はいかだや木切れに最期までしがみつき、死体は膨張して浮き、魚に食い尽くされ、骨は即座に粉々に砕け、保存されるどころではなかったのでしょう。

さらに、移動性の高い動物、知性の高い動物は傾向的に、最後まで生きて、最後に埋められたでしょう。すると、洪水の結果として、最後に水が引いたことでそれらの遺骸は腐敗します。そういうわけで、それらの遺骸は破壊される傾向にあるのです。知的という意味では、たとえば、恐竜と家畜のような哺乳類とでは明らかに差があります。e

もう一つの要素として、水の分別作用があります。オーストラリア、ビクトリア州ヤローンの石炭層にはその50%が花粉でできている0.5mの層があります。そのような花粉層の成因は、植物の花粉を広範囲から集めてヤローン盆地に堆積させたということであり、大規模な水の災害で水による分別作用があったに違いありません。

上部の地層ほど化石が大きくなる傾向をコープの法則と言います。しかし、生物は進化して大きくなる必要があるでしょうか? 実際、今、生きている生物は、概してその祖先の化石より小さくなっているのです。水が分別したという考えのほうがうまく説明できます。f

地質学者ウッドモラッペの頭足類(タコやイカ)の化石と地層の深さの相関を著した論文を見ると、いかに創造とノアの洪水と符合しているかが理解できます。11

洪水堆積層に人間の化石が見つからないことも含め、化石の記録に見られる順序について説明するいくつかの要因があります。化石記録の大半は地球の生物史を表しているのではなく、ノアの洪水で沈積した順序を示しています。全世界的洪水で沈積した地層、それは現実に見られるように、決して一貫した順序ではありません。

歴史上の出来事の再現は困難です。特に現在に類例のないノアの洪水はそういうものです。gですから、洪水が浸食、堆積し、化石が形成される様子を正確に想定することは難しいのです。積極的な創造論科学者らが化石とその順序の全貌を説明する洪水モデルを提唱するでしょう。

このことに関して興味深いものに、ウッドモラッペのTAB(Tectronically Associated Biological)モデルがあります。10 タスマン・ウォーカー博士も多くを説明する洪水モデルを提案しました。12 オースチン、バウムガルトナー両博士と共同研究者らによる激変プレートテクトニクスモデルは化石の分布について多く説明しています(11章参照)。さらに研究中のモデルもあり、証拠の説明に貢献するでしょう。13

はっきり言えることは、進化論による地球の歴史は誤りであって、岩石と化石の記録は人間の化石の分布も含め、聖書の創造、堕落、そして洪水の記事に照らし合わせるとはるかに理にかなった説明が可能です。

創造主が世界の裁きを告げられたとき、こう仰せられました。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。」(創世記6:7) 洪水前の人間の化石が見つからないのは、この裁きゆえでしょうか?

化石記録の順序。 世界的洪水を示唆している。

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第15章の‘注’

  1. Austin, A., 1994. Grand Canyon: Monument to Catastrophe, Institute for Creation Research, San Diego, CA.
  2. Morris, J., 1994. The Young Earth, Creation-Life Publishers Inc., Colorado Springs, CO, USA.
  3. Raging Waters, video produced by Keziah Videos, 1998.
  4. Snelling, A., 1998. Uluru and kata tjut Creation 20(2):36~40.
  5. Eden Films/Films for Christ. See also Chapter 19.
  6. Wieland, C., 1999. Dinosaur bones: just how old are they really?

Creation  21(1):54~55, and references therein.

  1. For example: Howe, G.F., Williams, E.L., Matzko, G.T. and Lammerts, W.E., 1988. Creation Research Society studies on Precambrian pollen, Part Ⅲ: A pollen analysis of Hakatai Shale and other Grand Canyon rocks, Creation Research Society Quarterly 24(4):173~182.
  2. Horgan, J., 1995. Profile: Fred Hoyle. Scientific American 272(3):24~25.
  3. Cremo, M.A. and Thompson, R.L., 1993, Forbidden Archeology. Bhaktivedenta Institute, San Diego, CA, 797~814.
  4. Woodmorappe, J., 1983. A diluviological treatise on the stratigraphic separation of fossils. Creation Research Society Quarterly 20(3):133~185.
  5. Woodmorappe, J., 1978. The cephalopods in creation and the universal Deluge. Creation Research Society Quarterly 15(2):94~112.
  6. Walker, T., 1994. A biblical geologic model. Third ICC, pp.581~92.
  7. Oard, Michael, personal communication.

a 科学が聖書を規範とする国でのみ発展した理由の一つです。

b 2体の人間の骨格がユタ州の銅山で(白亜紀の)ダコタ砂岩層の中から見つかりました。その層は‘恐竜時代’のものといわれています。C.L.Burdick, 1973, Discovery of Human skeletons in Cretaceous formation (Moab, Utah). Creation Research Society Quarterly 10(2):109-10.

注c しかし、クラゲのような軟らかい生物の形がよく保存されており、このことは急速に埋められたことを示しています。

注d  聖書は、ノアの洪水が‘大いなる水の源’(海)から始まったと言います。第10章参照。

注e  創造論科学者のほとんどは、オレゴン州ジョン・デイにあるような大型哺乳類の化石の堆積は洪水後のものと考えています。

f  大きな岩は下の方に分類されて堆積しますが、大きな貝は総じて小さな貝より密度が低く、小さな貝より後で沈積することがあります。

g  一般の科学者らは今日見られるプロセスで過去の地球を説き明かせると勘違いしています。―― これは斉一説と言って、この200年間この考えが地質学を支配しました。地質学者らは、今、世界的な洪水は起こらないという理由で、そのような洪水の証拠を見つめようとしません。第2ペテロ3:3~7に、この地質学の間違ったアプローチが超自然的創造と大洪水を否定するようになると預言されています。

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