自殺してはいけない本当の理由―あなたは神に愛されている|自殺防止
1日に七十人、この数字は、現在日本国内において、1日の間に自殺で死ぬ人の数であり、自殺未遂者も合わせると、この十倍もの数字になると考えられています。日本は、世界でも自殺率が高い国の一つであり、私たち日本人にとっても無視できない身近な問題です。
この記事は、人生に行き詰まり、自殺を考えている全ての人に、本当の生きる意味と人生の目的についてお知らせするために書かれました。この記事を通して、神の愛を知り、自殺を思いとどまり、希望を持って人生を生きる道を選ぶ人が、一人でも多く起こされますように。
自殺の本当の原因と理由とは
人はなぜ自殺をするのでしょうか?自殺の原因・理由を考える時、私たちはそこに「外的な要因」と「内的な要因」があることに注目する必要があります。ここで言う外的な要因とは、「自殺者が置かれていた状況」のことであり、一般的にはこの外的な要因が、自殺の原因として認識され、統計化されています。
しかし、自殺は「置かれていた状況」によってのみ、起こるわけではありません。自殺行為が、他殺とは異なり、本人の意志によってもたらされる以上、そこには大抵「内的な要因」、つまり本人の人生観が深く関係しているのです。
人生観とは、「人間の生き方や人生の価値・目的・態度などについての考え」のことであり、物事に対する見方や反応を左右するものです。そして、この人生観こそが、最終的に人が自殺に及ぶかどうかを、大きく決定付ける要因なのです。
たとえば、離婚や生活苦や健康問題で、非常に苦しい状態に置かれた人がいたとしても、試練に対して積極的な意義を見出す人生観を持っていれば、その人が自殺をすることはありません。しかし、たとえ些細な問題であっても、その人の人生観が悲観的であれば、その問題が自殺をするキッカケとなるのです。
さらに掘り下げて考えると、そもそも人生で直面する様々な問題自体も、本人や周りの人々の人生観によって引き起こされている場合がほとんどです。ですから、以上の点を踏まえれば、私たちが自殺の問題を考える時、「人はなぜ生きるのか?どのように生きるべきなのか?」という根源的な疑問と向き合う必要があること明らかです。
人生観の問題―人はなぜ生きるのか?
多くの自殺者に共通する点は、命の意味や人生の目的について、確かな答えを持っていなかったことにあります。その結果、健康上の問題や周りの環境によって、過度なストレスを感じた時に、生き続ける意義が見いだせなくなり、命を絶つという選択をするのです。
順調な時は考える必要に迫られないこのような問いも、人生の苦境に立たされた時は、誰でもその意味を問われるものです。あなたは、なぜ生きているのでしょうか?あなたの命は何のためにあるのでしょうか?もしもあなたが、これらの質問に対する確かな答えを持っていないとすれば、今後の人生で過度なストレスにさらされる状況に直面した時に、自殺を選ばないと言い切れるでしょうか?
重要な疑問―人はどこから来たのか?
人生の意味について確かな答えを得るために、私たちがはじめに考えるべき大切な問題があります。それは「人はどこから来たのか?」という問題です。なぜそれが大事なのか、わかりやすく理解するために、ある先生と生徒との間で実際にあった会話をご紹介したいと思います。
人の存在目的―ある先生と生徒との会話
ある日、先生は生徒に「洋服は何のために存在している?」と問いかけました。生徒は「着るためです」と答えました。次に先生は「靴は?」と聞くと、生徒は「履くためです」と答えました。続いて先生は「自動車は?家は?」と聞いていったが、生徒はいとも簡単に答えていきました。
最後に先生は、「では人間は何のために存在していると思う?」と聞きましたが、生徒は真剣に考えたすえ、「先生、僕にはまだその答えがわからないのです」と答えました。この生徒は、最も大切な質問に対する答えを、まだ知らなかったのです。
進化論からは、確かな人の存在目的は見出だせない
なぜ生徒は、家や車の質問に簡単に答えながら、人の存在目的という最も大切な質問に答えられなかったのでしょうか?車や家の質問に簡単に答えることができたのは、それらのものが造られて存在するようになったことを生徒が知っていたからです。造られたものには、造られた目的が明確に存在するからです。
一方、生徒が人間の存在目的を答えることができなかったのは、人間が造られたものではなく、進化論で教えられてきた通り、自然発生してきた存在だと考えているからです。たとえば、道端で偶然に落ちている石ころを拾い、「この石はなぜここに存在しているのか?」と考えても、確かな答えを見つけることはできないでしょう。むしろ、偶然に存在するようになったものに、その存在目的を求めることが無意味であることに気付くかもしれません。
それと同じように、私たち人間が、道端に落ちている石ころと同じように、偶然に発生した存在だと教えられているなら、そこに人生の「確かな」目的を見出そうとすることは、究極的には無意味なことです。
確かに、進化を信じてはいても、多くの人は生きる意味について考えます。しかし結局は、「その意味は自分で考えるべきものだ」ということになり、確かな答えを示すことはできないのです。
しかし、もしも私たちが、聖書が教えている通り、神によって造られた存在だとしたらどうでしょうか?そこには確かに、造られた命のとしての意味と、人生の目的があるに違いありません。
聖書が教える―命と人生に関する本当の意味と目的
神が全てのものを造られました。
「初めに、神が天と地を創造した。」(創世記1:1)
一般的に進化論は、神の存在を前提とせずに、「あらゆるものが偶然に生じた」と教えていますが、それは根拠の無い誤った仮説です。この世界には、万物を創造した神が実在しており、全てのものは神によって造られ、神によってその存在を保たれているのです。
飛行機を見た時に、それが偶然に出来たと考える人は誰もいません。しかし、地球上で最も単純な生命でさえ、それと同じくらいの精密さな構造を持っており、全ての人間は、それよりも遥かに複雑で精密な構造を持っているのです。
私たちは「神のかたち」に造られています
「神はまた言われた、『われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、・・・すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。」(創世記1章26~27節)
神は私たち人間を、神の「神のかたち」に創造しました。ここでの「かたち」とは、外面の形状の「形」のことではなく、「内的な性質」を表しています。地球上の生物で、「神のかたち」に造られているのは人間だけであり、そのため人は他のどんな生物とも異なる性質を持っています。
人間は、複雑な言語を用いてコミュニケーションを取り、物を造り、絵を書き、曲を作り、歌を歌ったり踊ったりします。理知的に物事を考え、倫理に関わる法を持ち、善悪をわきまえて行動します。これらは全て、人間だけが「神のかたち」に造られていることを明らかにしているのです。
私たち全ては神に愛されている尊い存在です。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ43:4)
「神のかたち」に造られた人間は、誰もが神に深く愛されている存在です。あなたは神から本当に愛されているのです!そして、神は一人一人の人間を、本当に尊い存在として見ておられます。ですから、神は人が自殺をすることを深く悲しんでおられるのです。
この世界でどれほどの多くの人々が、「自分が愛されていない」と感じ、感情的に不安になり、心の病を抱え、自殺願望を持つようになっているのでしょうか?このような問題の全ては、「神の愛」を知らないというところに、根本的な原因があるのです。
神の愛は無条件であり、「あなたがどんな人間であるか」ということは一切関係がありません。あるがままのあなたを愛しておられるのです。人は誰もが、承認欲求(他者に認められたいという気持ち)を持っていますが、愛の冷えたこの社会の中では、無条件にあなたを愛し、あなたの存在の価値を認めてくれる人が周りにいるとは限りません。
その結果、多くの人々は、虚しいところに自分の価値を求め、周りからの愛を求めますが、十分に心が満たされることはありません。人間の心は、神の愛によって満たされることによって、最も健全な状態へと回復するように造られており、神の愛だけが、本当の意味での心の平安を与えてくれるのです。
私たちの存在目的は、神の子供として永遠に生きることです
「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、4 彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」(黙示録21:3-4)
私たちの命は、偶然にこの世に生まれ、少しの間生き、死んで消滅するために定められているわけではありません。私たちは、神の子供として、神との愛に満ちた関係を通して、永遠に生きるために造られたのです。
人間が神に背いて罪が生じたため、今の世の中には多くの苦しみと死がありますが、私たちに対する神のご計画は変わりません。あなたが神の愛を知り、その目的に従って生きるなら、やがて苦しみの無い完全な世界へと導かれ、永遠の祝福を受けるようになるのです。
「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画は・・平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。」(エレミヤ29:11)
また、この世界全体の苦しみも、いつまでも続くわけではありません。神は人類を救済し、この世界をパラダイスへと変える永遠の計画を持っておられ、その計画の完成に向かって、歴史は進んでいるのです。
人生の試練は、私たちの成長のためにあります。
またキリストによって、いま私たちの立っているこの恵みに信仰によって導き入れられた私たちは、神の栄光を望んで大いに喜んでいます。そればかりではなく、患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。(ローマ5:2-4)
神は、私たちが人生の中で、様々な問題や試練に直面することをお許しになっています。それは、私たちが神への信仰によって試練を乗り越える時に、忍耐力を培い、人格を成長させることができるからです。
あなたの周りにいる人々を思い浮かべてみて下さい。人生で数多くの試練に遭いながらも前向きな気持ちでそれを乗り越えてきた人は、そうでない人よりも、魅力的な人に見えないでしょうか?
神は人間に自由意志を与えました。ですから、私たちが試練に遭う時、悲観的に考えて挫折するか、積極的な見方を持って乗り越えるかは、私たちの選択次第なのです。そして、神はご自身を信頼して試練を乗り越えようとする全ての人の人生に、その経験が前向きな意味を持つようにと働きかけてくれるのです。
神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(ローマ8:28)
私たちが試練に耐えることができるよう神は助けてくれます
あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(第一コリント10:13)
神は生きており、あなたと共にいて、あなたが人生で経験する試練を、他の誰よりも知っておられます。ですから、あなたが試練に遭うことを許すとしても、あなたが耐えられないほどの試練に遭うことを許すことはありません。
神は、あなたが大きな試練に直面する時に、その試練に伴って逃れの道を用意してくれます。あるいは、あなたがその試練に耐えることができるよう、乗り越える力を与えてくれるのです。ですから、試練に会う時に神に信頼をする人は、希望を見失うことなく、心の平安を保つことができるのです。
自殺をしても苦しみは無くならず、むしろ悪化します
人の人生は、地上生涯だけでは終わりません。全ての人の魂は、肉体の死を迎えた後、死後の世界へ迎えられ、そこで天国か地獄のどちらかへ導かれます。
私たちの肉体の命は、本質的にはその与え主である神のものですので、私たちの誰にも、それを奪う権利はありません。それは、他人の命だけでなく、自分の命についても同様です。地上での人生をどこまで生きるかは、人が決めることではなく、神が決めておられることなのです。
ですから、自殺によって自らの命を絶つことは、神にとっては人を殺すことと同じ行為であり、そのような人が、神の国(天国)へ行くことは、基本的にはありません。むしろ、永遠に続く、神のいない苦しみの世界へ旅立つことになるのです。
自殺を考える多くの人々は、この世の苦しみから逃れたいという思いで、自殺を図ります。しかし実際には、自殺は問題から逃れることのできる手段ではなく、むしろ苦しみを悪化させる最悪な手段となるのです。
※なお、深刻な心の病によって、自らの意志とは関係なく自殺をしてしまう人もいます。最終的に、それぞれの自殺者が、死後にどこへ行ったかは、神にしかわかりません。
自殺未遂で地獄と天国を経験した女性
ここで、自殺未遂をして奇跡的に助かった、米国人の女性タマラの体験談をご紹介したいと思います。タマラは、両親の離婚と崩壊した家庭が原因で、人から拒絶感を感じるようになり、やがて自分の人生を終わらせるしか、解決の道は無いと思うようになりました。そしてとうとうある日、ピストルを自分に向けて、自殺を図ったのです。
しかし、彼女が解決の道だと思っていた自殺行為は、実際には何の解決にもならないことを、彼女はその後知りました。銃を放った後、身体を離れた彼女の魂は、火の燃える地獄へと堕ちていったからです。タマラの魂は、その地獄の中で孤独と憂鬱そのものになりました。その場所には、彼女と同じような苦しみで叫んでいる魂がたくさんおり、次のように地上で生きている人々に向かって叫んでいました。
「ここに来てはいけない。人生は、イエス・キリストに繋がっていることを知りなさい」
幸いタマラにとって、その時はまだ死ぬべき時ではありませんでした。神は彼女の魂を引き上げ、天国の入り口へ連れていった後、その魂をタマラの身体に戻しました。その時タマラは、人生で初めて、完全な平安と喜びを感じ、神が自分のことを深く愛していることを知りました。彼女は、自身の経験を振り返り、次のように語ってくれています。
あなたがこの世を去るときには、二つの内のどちらかに行くことでしょう。罪と苦しみの存在に変わるのか?光と愛と喜びの存在に変わるのか?です。
どのような存在に変わるのかは、個人の責任です。私は自分に責任を持つことを学びました。自分の精神的・感情的な状況を他人のせいにするのはやめました。
今私は歓びに満ち、平安に満たされています。私は神様が言われる通りの私です。私は愛されており、キリストの天国へ迎え入れられます。神様は私を見、私は彼の子供です。私は彼のものです。
▶タマラの証言動画はこちら 自殺未遂で地獄と天国を体験した少女
自殺願望とアル中から解放された青年
スペンサーは、幼い時の家族関係が原因で、自分を卑下する考えにとらわれるようになりました。その結果、彼はアル中になり、自殺願望を持つようにもなり、度々リストカットをするようになりました。
ある日スペンサーが足を引きずりながら町を歩いていると、彼を見かけたクリスチャンの青年ナタナエルが彼に近寄り、「君のために祈らせて欲しい」と声をかけました。しばらく話した後、ナタナエルが全身全霊で祈り始めると、スペンサーは自分の酔いが無くなり、身体から悪霊が出てくるのがはっきりとわかりました。その悪霊は、スペンサーに自殺願望を生じさせましたが、ナタナエルが祈り続けると、その悪霊は去っていったのです。
その時以来、スペンサーからは自殺願望が消え、彼はアル中からも解放されました。また彼は、ナタナエルとの出会いを通して、神とその真理を知りました。そして、神に愛される子どもとして、正しい自己認識を持つことができるようになり、人生に喜びを感じることができるようになったのです。
▶スペンサーの証言動画はこちら 自殺願望から解放された青年
悪霊が原因で、自殺願望が生じている場合もある
スペンサーの場合、幼い時の体験が、ネガティブな考えやアル中を引き起こす原因となりましたが、そのような不健全な状態は、しばしば悪霊の影響を受ける原因となります。そして、悪霊の中には自殺願望を生じさせるような者もいて、それがスペンサーに影響を与えていたのです。
実際に、一度何らかの中毒に陥ったり、自殺願望を持った経験を持つ人の中には、その後の人生でも度々自殺願望に襲われ、症状が中々改善しないようなケースも見られます。一概には言えませんが、このような場合は、霊的な問題―悪霊の原因を考えてみる必要があります。
悪霊が原因で自殺願望が引き起こされている場合、解放のための最も良い方法は、スペンサーがそうであったように、神であるイエス・キリストに助けを求めることです。聖書の神は、死んでいる神ではなく、生きて働いておられる神であり、私たちの人生を、悪霊や中毒症や精神疾患から解放する力を持っています。
この記事を読んで、もしもあなたに解放のための思いが与えられたら、今すぐに「イエスよ、助けて下さい!」と祈ることもできますし、周りのクリスチャンの友人や、教会の牧師さんに、助けを求めることもできるでしょう。
自殺をやめて、神からの愛と命を受け取るために
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16)
私たちは、偶然に生まれてやがて消えていくような儚い存在ではありません。あなたを創造した神は、あなたを深く愛し、尊い存在として見ておられるのです。神はあなたの人生に目的と計画を持っておられ、それはあなたの全ての罪を赦し、ご自分の愛する子供として迎え、豊かな命を永遠を与えるためです。
そのために、ご自身の独り子であるイエス・キリストを十字架につけて、あなたの罪の身代わりとして捧げてくれました。それほどまでに、あなたを愛し、あなたの命を尊い存在として見ておられるのです。
あなたが、この無償の神の愛に心を開き、死んで蘇ったキリスを救い主としてお迎えするなら、今この瞬間に、あなたに永遠の命が与えられ、人生の失望は永遠の希望へ変わるに違いありません。
そして、あなたが人生で直面する色々な問題を、神への信頼を通して乗り越えようとするならば、神は確かに必ずあなたを助け、あなたを癒やし、平安を与えてくれるでしょう。
「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。」(イザヤ41:10)
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。29 わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。30 わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」(マタイ11:28-30)
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参考リンク
付録―自殺者数や原因などの統計
日本の自殺者数や自殺率
自殺は、日本人の死因第6位になっています。日本における自殺者数は、幸いなことに、ここ数年で減少しています。過去には、1998年あたりで自殺者数が急増し、三万人台がしばらく続いていたものも、平成26年には25,427人となり、その後、現状では二万人台を維持している状態です。自殺率についても、これと同じように減少傾向です。
減少傾向とはいえ、日本の自殺率は、世界の標準に比べると未だ高い水準であり、さらに実際の自殺に至らなかった自殺未遂者は、少なくともその10倍はいると推定されています。ですから、自殺は私たち全てにとって、とても身近な問題なのです。
男女別・年齢別の自殺者数
男女比においては、男性の自殺者は、女性の約2倍となっています。そして重要な点として、日本人全体の死因では自殺が第6位ですが、20~45歳の男性、15歳~35歳の女性においては、自殺が死因の第1位となっています。
また、日本では、中高年の自殺率が高く、自殺者全体の6割を占めています。
世界の自殺者数と自殺率
2012年の世界保健機関(WHO)の発表によれば、世界全体での自殺者の数は、100万人にも上ると推定されており、年間自殺者数は戦争犠牲者と殺人による死者を足した数より多く、40秒に1人が自殺している計算になるようです。
国別の自殺率については、2015年の国別の統計によると、次のようになっています。日本では、ピークよりも自殺者数が減ったとはいえ、外国の影響もあり、自殺率は他の多くよりも高い水準となっているようです。
自殺の原因・理由
自殺は、様々な事情が複雑に絡み合って生じる場合が多いですが、原因の中でも特に多いのが、下の図の通り「健康問題」や「経済・生活問題」です。
経済・生活問題は、特に働き盛りの20代~50代の自殺の死因では最も多いとされており、主に事業不振、倒産、失業などの原因が挙げられます。
健康問題については、WHOの自殺予防マニュアルによれば、自殺既遂者の90%が精神疾患を持ち、また60%がその際に抑うつ状態であったと推定されています。日本においては、高度救命救急センター搬送の自殺未遂者の80%以上について、精神疾患が認められています。
つまり、何らかの生活上の問題によって過剰なストレスがたまり、それがキッカケとなって精神疾患を持つようになり、自殺へ至る、というケースが、とても多いことがわかります。
このような問題に直面した場合は、状況そのものを改善するために、実際に行動したり、誰かに相談をしたりすることは、とても大切なことです。周りの家族や友人で、話を聞いてくれる人がいるかもしれませんし、悩みを聞いて相談に乗ってくれるような場所も、日本にはたくさんあります。そして、早い段階で相談をしたために、状況が改善され、自殺に至らなかったケースは多々あります。
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