地球は偶然にできたのか(2)~宇宙の中の絶妙な配置

地球は偶然にできたのか (2) ~宇宙の中の絶妙な配置~

地球上に生命が存在できる理由は、恵まれた地球環境だけではない。広大な宇宙の中でどの場所に位置しているのかも、極めて重要な要素なのである。

そこで今回は、銀河系や太陽系との位置関係から、地球が受けている恩恵について取り上げる。

銀河系における太陽系の位置

天の川銀河

まず、私たちが住んでいる地球が、広大な宇宙の中で、どのような場所に位置しているのかを理解する必要がある。

地球は、太陽を中心として公転する「太陽系」の星の一つであり、その太陽系は、宇宙に数多くある銀河の中の一つである「天の川銀河(銀河系とも呼ばれる)」に属している。

地球を含む太陽系は、天の川銀河のはずれ(銀河系の中心から、末端の中間あたり)に位置しており、そこは生命を育むのに丁度良い「銀河系ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」と呼ばれる場所である。

星が密集する銀河系の中心付近や、腕[i]の付近は、太陽のような星がたくさんあり、光が空一面に広がって何も見ることができないだけでなく、有害な紫外線を四方八方から浴び続ける場所である。また、このような場所では、度々起こる超新星爆発によって、近くにある星は壊滅的なダメージを受ける。

一方、銀河系の外側に行き過ぎると、安全にはなるが、生命を支えるのに必要な化学元素が少なくなる。

太陽系は、恒星が密集する危険地帯から離れつつ、生命を育むための化学元素がちょうど良い密度で存在している、極めて理想的な場所に位置しているのである。

太陽系における地球の位置

太陽系

宇宙空間は、マイナス270度の極寒の世界だが、地球の温度が常な幅に維持されているのには、「地球と太陽の絶妙な距離」と、太陽の周りのほぼ完璧な円軌道による。

地球と太陽の絶妙な距離

地球は、太陽から約1億5000万㌔離れたところを周っており、ほぼ完璧な円軌道によって、その距離を保っている。(地球の軌道を惑星系ハビタブルゾーンと呼ばれる)

この太陽と地球との距離は、地球の温度が生命にとって適切な幅に維持される上で絶妙な距離であり、マイナス270度の極寒の宇宙空間の中で、地球の表面をちょうど良い温度に暖めてくれている。

もし地球の軌道が今より5%太陽に近ければ、液体の水は蒸発し、金星のような灼熱の星となってしまう。また、もし軌道が20%遠かったら、火星のような氷の星になってしまう。

地球が、太陽との絶妙な距離を保ちながら公転しているからこそ、生命は焼けることも凍りつくこともないのである。

太陽―安定した光をもたらす特別な恒星

creation_space_sunrise

自ら光を放つ恒星は、宇宙の中に無数に存在するが、生命を支える恒星として、太陽ほどふさわしい星は無い。その理由は、太陽のサイズ・明るさ・安定性、にある。

サイズ

もしも太陽が今よりも大きく、オリオン座のベテルギウスのような巨星であれば、巨大過ぎて内惑星全てを飲み込んでしまう。一方、太陽が今よりもずっと小さければ、十分な光と熱を得るために地球はもっと近づかなければならないが、そのような位置では太陽の強力な潮汐力によって、地球環境は壊滅的なダメージを受けてしまう。

明るさ

もしも太陽が、オリオン座のリゲルのような青白色超巨星であれば、今よりも25000倍の明るさで輝くため、放射が強すぎて、生命を育むことはできない。

安定性

太陽風 コロナ

大きさと明るさが、太陽と同程度の恒星は幾つか見つかっているが、それらの恒星は、太陽のコロナ放出の100~1億倍の規模の巨大な放出を、およそ百年に一度の割合で起こしていることがわかっている。仮に太陽がそのような放出を行っていたら、地球のオゾン層は簡単に破壊され、生命はすぐに滅んでいただろう。

一方、太陽は極めて安定した恒星であり、数年ごとに放出されるコロナの規模は、多少の電波放送障害を引き起こす程度であり、それ以上の害を地球に及ぼすことはない。

このように、太陽という恒星は、その大きさ、明るさ、安定性の点で、他に類を見ないほどの、生命に維持にとって極めて理想的な星なのである。

地球と月の関係

地球と月

月の大きさと地球との距離

月は、地球環境に多くの恩恵を与えているが、このような特別な衛生を持っているのは地球だけである。月の直径は、地球の約4分の1にもなり、相対的にはとても大きな衛星となっている。この大きさと、地球からの適切な距離は、生命を育む地球環境を安定させる上で、極めて適切な値であり、以下に説明するような恩恵を地球に与えることができている。

適度で安定した潮の干潮

月の重力によって、地球の海洋では、1日に二度、潮の干潮が生まれているが、それによって生じる潮の流れによって、海洋の水はよどむことなく循環し、酸素やミネラルなどが混合し、海洋生物が住みやすい環境が整えられている。

また、もしも月のサイズが今とは異なり、それによってよりも大きな干潮が生じていたならば、地球上の多くの土地は、一日に二回、水に埋まることなる。

地球の地軸の安定に貢献

地球の自転軸は、23.4°傾いているが、この傾きが安定しているのは、月というぴったりサイズの衛生が地球を周っているからである。もしも月がなければ,地球は,回るこまのようにふらついてしまい、気候や潮流が不安定になり、生命が安心して住めるような環境とはなっていなかっただろう。

太陽と月と地球の特別な位置関係

皆既日食

太陽・月・地球の相互の位置関係には、興味深いものがある。太陽は月よりも400倍大きいが、地球からの距離も、丁度400倍遠い。それによって、地球から見た時の太陽と月の大きさが、ちょうど同じになるのである。

この絶妙な距離は、皆既日食というユニークな現象を生じさせており、他の星でこのような現象を見ることはできない。

宇宙や地球は偶然にできたのか?

生命を育む上での地球の絶妙な位置については、近年の天文学の発達によって、その詳細が徐々に明らかになってきた。この偶然とは言い難い恵まれた地球環境は、進化論者が述べる通り、本当に偶然に生じたのだろうか?

近代の天文学の発達に大きく貢献した偉大な科学者たち、ニュートン、ガリレイ、ケプラー、コペルニクス、パスカル、アイン・シュタインらは、皆有神論者であり、宇宙を創造した神がいると信じていた。

アイザック・ニュートンの逸話

アイザック・ニュートン

ここで、万有引力の法則の発見で有名な、アイザック・ニュートンの興味深い逸話を紹介する。

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ある時ニュートンは、腕ききの機械工に、太陽系の模型を作らせました。その模型は、歯車とベルトの働きで、各惑星が動く仕掛けになっている精巧なもので、ニュートンの部屋の大テーブルの上に置かれました。

ある日、ニュートンがその部屋で読書をしていた時、ひとりの友人がやって来ました。彼は無神論者でしたが、科学者だったので、テーブルの上のものを見て、すぐにそれが太陽系の模型であることがわかりました。

彼は模型に近づくと、模型についているクランク(手動用金具)を、ゆっくり回しました。すると、模型の各惑星が、様々な速度で太陽のまわりを回転するのでした。それを見た彼は、いかにも驚いた様子で、「うーむ。実に見事だ。誰が作ったんだ?」と尋ねました。

ニュートンは本から目を離さずに、「誰でもないさ」 と答えました。

友人は、「おいおい、君はぼくの質問がわからなかったしいな。ぼくは、誰がこれを作ったのかと聞いたんだよ。」と返しました。

するとニュートンは、本から顔を上げて、まじめくさった調子で、「これは誰が作ったのでもない、色々な物が集まって、たまたまこんな形になったのだ」と言いました。しかし驚いた無神論者は、やや興奮した口調で、言い返しました。

「ニュートン君、人をばかにしないでくれ。誰かが作ったに決まっているじゃないか。これを作ったのは、なかなかの天才だよ。それは誰かと聞いているんだ。」

それからニュートンは、本をかたわらに置き、椅子から立ち、友人の肩に手を置いて、言いました。

「これは、壮大な太陽系を模して作った粗末な模型でしかない。太陽系を支配する驚くべき法則は、君も知っているはずだ。それを模して作ったこの単なるおもちゃが、設計者も製作者もなく、ひとりでに出来たと言っても、君は信じない。

ところが君は、この元になった偉大な本物の太陽系が、設計者も製作者もなく出現したと言う。いったい何故、そんな不統一な結論になるのか説明してくれたまえ。」

こうしてニュートンは、宇宙の背後に、知性を有する偉大な創造者がおられることを、友人に得心させたということです。(『ミネソタ工芸より)
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結論

ニュートンは、その著書『プリンキピア』の中で、このように書いている。

「太陽、惑星、彗星から成る極めて美しい天体系は、知性を有する強力な実在者の意図と統御があって、初めて存在するようになったとしか言いようがない。・・・・至上の神は、永遠、無窮、全く完全なかたであられる。

進化論が主流として教えられている日本では、創造主の存在は、あたかも非科学的であるかのように思われているが、事実は全くそうではない。

むしろ、自然界に存在する秩序や、宇宙とそこにある美しい天体、そして生命を育む地球の存在は、その背後に全てを創造し、統率している創造者の存在を、強力に示しているのである。

天を造り出し、これを引き延べ、地とその産物を押し広め、その上の民に息を与え、この上を歩む者に霊を授けた神なる主はこう仰せられる。」(イザヤ42:5

 

脚注

[i] 銀河系における腕とは、中心から帯状に広がっている、星々が密集している地帯である。

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