地球は偶然に生じたのか(1)~生命を育む最適な環境~
地球は、あらゆる点においてユニークな星である。宇宙には数え切れないほどの星があるが、未だに地球と同じような美しい星は見つかっていない。
多くの宇宙飛行士は、スペースシャトルの窓から見える、青く輝く地球を目の当たりにして、その存在感と、あまりの美しさに圧倒される。三度の宇宙飛行を経験した「ジーン・サーナン」は、その体験を次のよう語った。
「体験で得たもので一番大きかったのが神の認識だ。宇宙から地球を見るとき、そのあまりの美しさにうたれる。こんな美しいものが、偶然の産物として生まれるはずがない。地球はそれほど美しい。
何らの目的なしに、何らの意志なしに、偶然のみによってこれほど美しいものが形成されるということはあり得ない。そんなことは論理的にありえないということが、宇宙から地球を見たときに確信となった」
宇宙飛行を通して、神の存在を確信するようになった飛行士は、ジーン氏だけではない。実際に、宇宙飛行を終えた後に、価値観が大きく変わり、牧師や宗教家など、霊的な活動に従事するようになる人も少なくはない。
近年の科学の発達によって、地球という星に、多様の生命を維持するための多くの条件が、いかに完璧に整えられているかがわかってきた。果たして地球は、宇宙の中で偶然にできたのだろうか?それとも、多くの宇宙飛行士が感じたように、地球は見えない創造者によって、生命のために造られた星なのだろうか?
地球の大きさと質量
地球上では水が絶えず循環しており、その循環によって綺麗な水が保たれ、生命が維持されている。この循環は、地球上の大気によって保たれているが、大気の存在には、地球の大きさと質量が大きく関係している。
もし地球の大きさや質量が今と異なっていれば、それに伴って大気の状態も大きく変わり、生命を支えるための水の循環が生じることは無かった。地球のサイズと質量の値が、大気の維持のために最適だからこそ、多様な生命が地球上に存在できているのである。
地球の自転速度
地球は、毎日ほぼ同じ速度で回っており、およそ23時間56分かけて1回転している。この適切な自転周期は、昼夜の区別、潮の満ち干き、風などを生じさせ、地球上の生命に活力を与えている。
もしもこの自転速度が、10分の1でもずれていたら、寒暖の差が激しくなり、生命体の存続は危ぶまれただろう。
地軸の傾き
もし地軸の傾きがなかったら、つまり公転面に対して垂直に回転をしていたら、昼と夜は12時間ずつになり、季節が生じることは無かっただろう。
対して地軸が水平になると、夏と冬の寒暖差が大きくなり、多くの生命は気温の急激な変化に耐えられなくなり、存続することが不可能となる。
地軸の傾きは、多様な生命の育む上で、極めて重要な役割を果たしているのである。
地球の磁場
地球は、中心部で溶解した鉄の塊が回転することによって、磁場を持つ大きな磁石のようになっている。オーロラという美しい自然現象は、この磁場の存在によって生じている。
地球の磁場は、宇宙空間にまで広がっており、太陽風や太陽フレアなどの強力なエネルギーから、地球を守ってくれている。
もしも磁場によるバリアーが無くなれば、地球は太陽風などのエネルギーを直接受けるようになり、生命の存続は不可能だっただろう。
大気(オゾン層)の存在
致命的な紫外線から地球を守る保護層の役目
オゾン層とは、地球の大気中で、高度約10 – 50 kmほどの成層圏に多く存在する、オゾン濃度が高い部分(層)のことである。
このオゾン層は、地上の生態系を保護する上で、とても大切な役割を果たしており、宇宙からの紫外線の99%を吸収してくれている。
もしオゾン層がなければ、人間や動物、プランクトンなどの地球上の生命は、強力な紫外線によって悪影響を受け、今のようなかたちで存続することはできなかっただろう。
隕石から地球を保護する
地球には、大小さまざまな宇宙からの物体が、毎日大量に降ってくるが、それらのほとんどは、多少大きなサイズであっても、大気を通過する過程で燃えて塵となる。
もしも大気が無ければ、私たちは、絶えず宇宙から降ってくる隕石に、怯えながら生活をしなければならなかっただろう。
地球の気温を一定に保つ
大気は、隕石や紫外線などの有害な物質をしっかりとブロックしながらも、生物に不可欠な熱や可視光線は地表へ届け、熱を行き渡らせてくれる。
また夜には熱を逃がさない毛布のような働きをし、地表の温度を一定に保ってくれている。その様子はまるで、地球上の生命が存続できるように、必要な物質とそうでないものを選り分けているかのようである。
このように、地球の大気と磁場は、生命の維持のために、極めて都合よく、完璧に整えられたシールド機能の役割を果たしている。
循環システム
地球上で、多様な生命が調和を持って生きることができている大きな理由の一つに、循環システムが挙げられる。
地球上で行われる循環は完璧であり、あらゆる自然界の廃棄物は、同じ自然界で完璧に処理され、リサイクルされていく。このシステムによって、地球の環境は常にきれいに保たれているのである。
水の循環
水の存在は、あらゆる生命にとって、生死の問題に直結するほど重要なものである。人間の体も、その7割は水でできており、もしも飲む水が無ければ、数日しか生きることはできない。
地球上の水は、絶えず循環を繰り返しており、太陽の熱によって蒸発した水は、大気中で雲となり、その雲の水は雨や雪の形で地上に降り、また海へ戻っていく。このような循環が絶えず繰り返されることによって、地球の水はきれいな状態が保たれているのである。
炭素と酸素の循環
人間を含めるあらゆる自然界の動物たちは、絶えず呼吸によって酸素を取り入れ、大量の二酸化炭素を空気中に吐き出している。
一方で、植物は光合成をすることによって、二酸化炭素を吸収し、酸素を空気中に吐き出している。このように、植物と動物の間で、炭素と二酸化炭素が常にバランスよく循環することによって、大気の状態は、生命にとって適切な割合に維持されている。
このような完璧な調和をもった循環システムや、地球上の整えられた環境は、本当に偶然に生じたのだろうか?この点について、宗教・科学の著述家であるM・A・コリーは、このように述べている。
「もし本当に、地球の生態系が、ただの偶然に進化してきたのであれば、これほど完璧な調和した環境に達することは、不可能だったであろう」
続きはこちら ⇒ 地球は偶然に生じたのか~宇宙の中の絶妙な位置
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